教会美術にお腹いっぱい…。編

2002.3.21(木) 天気 ヴェネチア 晴れ

今日は朝から歩いてアッカデミア美術館に行くんですぅ〜。ま、アッカデミア美術館はそんなに気合を入れて見るつもりもないから、気楽に見てきましょうって感じですかね?でもガイドブックによると開館直後はスムーズに入れるものの、時間が経つにつれて混雑してしまうと書いてあったので、一応開館と同時に入るつもりで早くホテルを出てきたのでした。

アッカデミア美術館は、アッカデミア橋という木製の橋のすぐ側にある美術館です。あ、このアッカデミア橋、木製とはいうものの、基礎はしっかりと鉄骨でした。ところで、このアッカデミア橋はリアルト橋、スカルツィ橋(国鉄サンタ・ルチア駅前)とともに大運河=カナル・グランデにかかる3つの橋のうちの1つです。

でも考えてみたら、このカナル・グランデに橋が3つしか架かっていないっていうのも不便な話ですよね。最もだからヴァポレットやゴンドラなどが発達しているんでしょうけれどね。
←カナル・グランデに架かるアッカデミア橋

さてと、話をアッカデミア美術館にもどしましょうかね。入口でチケットを買うと、まずクロークに荷物を預けさせられるんですよね。これ、なぜかというと撮影禁止だからなんですけど、身軽に見学できていいかも。

さて、気合を入れて見るつもりはない、そう思っていたはずなのにいざ中に入ってみたらとんでもなかったのでした〜;だってだって意外にも有名な絵がいっぱいあるんだもの〜。そんな話、聞いてなかったよぉ。

そんなに学校時代、美術の時間に気合も入れてなかったから、本当に誰でも知っているような有名な絵画程度しか知らなかった私ですが、実は今回の旅行前に偶然テレビで色々な絵画等を見ていたんですよね。でもその絵画達がどこの美術館にあるかなんてちっともわかっていなかったのに、なんでそれがこのアッカデミア美術館にあるのぉ〜?と言った感じに見たことのある絵画がいっぱいあったのでした。

うぅ、ヴェネチア共和国(笑)にしてやられたぜ…。またしてもこの美術館でじっくりと見たいものがたくさんあるなんて。ちなみにここにはジョルジョーネの『嵐』(この絵は何を暗示しているのかがわからないと物議をかもしている有名な絵ですね)やヴェロネーゼの『レヴィ家の饗宴』(もともとは「最後の晩餐」だったが、絵の中に娼婦や道化を描いたことから題名の変更を余儀なくされたという逸話がある絵)など、本当に見ごたえバッチリの絵画がズラーっとあったりしたんですよねぇ。くっそ〜、そんなに気合入れてなかったはずなのになぁ。↓の写真はいずれもガイドブックから

ジョルジョーネの『嵐』 ヴェロネーゼの『レヴィ家の饗宴』

こじんまりとしているようで実はとても見どころ満載だったアッカデミア美術館でした。今日はこれからまだ見たいところがあるのに、朝からこれではどうやら1日がとても長くなりそうな気配濃厚ですな。(^^;) この時点でややお疲れ気味の私達。でもまだまだ先は長いぞ!がんばろー、おー!

アッカデミア美術館を出たところで今度はヴァポレットに乗り、2つ目のS.Tomaで下船。ここからまた少し歩いて今度はサン・ロッコ信者会へ。ここはティントレットの絵画で埋め尽くされているんですよねぇ。ところでこの信者会というのは、ヴェネチア特有の制度だそうで、商人や貴族を中心とした慈善事業を行う友好団体だそうで、別に教会ではないものの宗教力を誇示するかのように立派な礼拝堂や集会場などがあるそうです。                        

しっかしドージェというのは本当にお金持ちだったんですねぇ。いや、それともこのヴェネチアは商人の街として栄えたからなのでしょうか?教会といい、信者会といい、壁や天井には絵画だらけで埋め尽くされていて、どれも素晴らしいものだし、それはそれは著名な画家の絵だったりするんですが…さすがにこれだけ囲まれた状態で見ていると食傷気味だぞ。

あ、このサン・ロッコ信者会も撮影禁止なので、写真は撮れませんでしたが、たとえ撮影可能だとしてもとても薄暗い部屋なのできっと写らなかったでしょうねぇ。ちなみにティントレットの天井画はあまりにも巨大でしかも真上をずっと見ていなくてはならないという悪条件のため、いくつか鏡がおいてあり、それに映して見ることができるようになっています。でもこの鏡がまた異常に重いんだよねぇ。私ゃ、握力がないので重いものは持っていられないのであった…。

 

サン・ロッコ信者会の外観。右の白い建物はサン・ロッコ教会

せっかくの鏡だったけど重くて持っていられないのと、やっぱり左右逆転してしまうというのと、そして意外と見づらいという点から私達は鏡利用をご遠慮して、結局首の痛みと戦いながら真上をずっと見上げていたのでした。あ゛〜、首が疲れたぁ。

あぁ、そうそう。このサン・ロッコ信者会は子供は子供料金になったのですが、これがなぜか26歳までが子供料金というハンパさ。もちろんちゅうちゅうちゃんは子供料金なのですが…、入場料を払うときにちゅうちゅうちゃんの年齢を聞かれるのはまだわかる。だがしかーしっ!なぜに私らの年を聞く?やっぱり東洋人って若く見られるのねぇ。しかし聞かれたからって答えて子供料金になる年じゃないんだから、さすがに料金所のおばさまと私らは大笑いをしてしまったわ。ほほほほほ。

ちなみにサン・ロッコ信者会の隣にはサン・ロッコ教会がありますが、こちらは観光客もほとんどなくひっそりとしています。でもなかなかいい感じの教会でしたよ。 しっかしここまで来たときにはもう数限りなく見た美術品でお腹いっぱい状態…。

それなのにここから今度はサンタ・マリア・グロリオーサ・デイ・フラーリ教会(長いので以下「フラーリ教会」ね。)に向かいます。あぁ、満腹なのにまだまだご馳走が目の前に来るのね〜。いや、この場合、ご馳走に向かっていくのか?(笑)

ということでやって来たのはフラーリ教会。おぉ、ここはまた随分古い教会なのね。あ、といっても内部は14世紀に改築された建物ですね。。ゴシック式とはいうものの、ゴシックの典型的な建物であるミラノのドゥオモと比べると全然感じが違うものですねぇ。

←サンタ・マリア・グロリオーサ・デイ・フラーリ教会、教会が大きすぎて全景写真は撮れない;

中はとても広く静かです。入ってすぐの左側を見ると大理石でできた巨大な三角形のモニュメントがっ!よくよく見るとそこには「CANOVA」と銘が入っています。ってことはこれってひょっとして彫刻家のカノーヴァのお墓?カノーヴァといえばローマのボルゲーゼ美術館で見たパオリーナ・ボナパルト像が思い出されます。いや、あの彫像は素晴らしかったですよ、マジで。そのカノーヴァのお墓がここにあるとは〜。これはちょっとうれしい発見でした。

そしてここにはまだまだ見なくてはならないものがあります。それはこの広い教会内の後陣の正面の絵。ティツィアーノの「聖母マリアの被昇天」です。いや、これは美しい…。言葉も出ないですね。そしてこのティツィアーノの絵の隣にはひっそりとドナテッロの木彫像「洗礼者ヨハネ」がありました。でもこれ、意外と小さいんですね。うっかりしていると見逃してしまいそうです。あ、この木彫像はヴェネチアにあるドナテッロの唯一の作品なので見落としちゃダメですよ。

巨大なカノーヴアのお墓

正面に見えているのは・・・

ティツィアーノの聖母被昇天

ドナテッロの洗礼者ヨハネ像、すごく小さいです;

意外とこのフラーリ教会でも時間をたっぷりと取ってしまい、もう本当に美術品でお腹いっぱいになってしまったのに、本物の空腹にはやっぱり適わない、とばかりに昼食の時間にすることに。いやぁ、今日もきりきりとたくさん歩いていますねぇ。そんな訳で(えっ?どんな訳?)今日のお昼はまたしてもリアルト橋近くの中華やさんへ。だってここ、おいしいんだもーん♪

私が注文したのは搾菜麺。これ、ちょっと薄味だったけど、おいしかったー。あ、でもさすがイタリア。麺が中華麺じゃなくて、パスタなんだよねぇ。これにはちょっと笑っちゃった(^_^)。ま、おいしければ何でもいいんだけどね。

さて、昼食も済ませて名実ともにお腹いっぱいになった私達。腹ごなしと言わんばかりにリアルト周辺でお土産買い大会に突入です。だってイタリア土産を買うならヴェネチアが一番買物しやすいんですもの。考えてみてもローマやミラノではイタリアらしいお土産なんて思いつかないものねぇ〜。

リアルト周辺でお土産に買ったのは手製の刺繍を施してあるハンカチ。これってやっぱりヴェネチアっぽいものね。あとはやっぱりレース製品ですね。レースは本当はブラーノ島に行ったときに買おうと思っていたけれど、ブラーノ島にも行かなくしたからね。でもここでも買えるから、まぁいいか。

さんざん買物したあとは一旦ホテルに戻って荷物を置いてから、今度はホテルからほど近いサン・ザッカリア教会へ。うーん、今日はあれだけ美術品を見てきたというのにまだ行くかーって感じですね。でも行っちゃうもん。

このサン・ザッカリア教会は9世紀に創建されたというからかなり古い教会です。うん、見た目にも古いっていうのがわかりますね。でも15世紀に現在のゴシック様式に改築されたらしいです。さて、この教会内もうっかりして見落としてはいけないものが結構あります。                         サン・ザッカリア教会外観→

中でも教会内に旧教会への入口があり、ここの奥のサン・タラーシオ礼拝堂の地下には10世紀の納骨堂があるのですが、これがなんと浸水しているんですよ。あ、写真を撮らなかったんですけど写真はちゃおちゃおさんから拝借〜、ありがとー。この浸水しているというのがヴェネチアを象徴しているようで、なんとも言葉が出ませんね。いや、これはいいものをみせてもらったという表現でいいのでしょうか?でもなかなか見られるものじゃないですもんね。
←浸水している地下納骨堂(写真提供:ちゃおちゃおさん)
この旧教会を出て、サン・ザッカリア教会内に戻るとまたまたここもすんばらしぃ絵画の数々。あぁ、またここでもお腹いっぱいになってしまうのねぇ〜。ふぅ〜。サン・ザッカリアもしっかり食べ尽くして(?)ここで今日の観光は終わりにすることに。今日は早くホテルに帰ってすべての用事を済ませないとね。だって今晩はテレビでUEFAカップのMILAN戦を見るんですもん。Pippo、スタメンで出るのかなぁ〜?楽しみだわ。

ホテルに戻る途中でパスティッツェリア(平たく言えばケーキ屋さんってところですかね?)でお菓子購入〜。いやん、おいしそう〜。こりゃやっぱり買わずにはいられませんな。ってことでもちろん購入して、即食べ。うはは、おいしかった♪

そんなこんなで夕食も済ませ、ホテルに戻ったら即効でお風呂に入って洗濯まで済ませ、ちゃおちゃおさんと私の部屋に集合!試合始まっちゃうよ〜。
試合中はこれが知らない人が見たら絶対に異様な光景で…。だって大人3人でテレビに向かってカメラ構えているんだもん。もう試合内容はそっちのけ状態で、ひたすらカメラで追っていたのはもちろんFilippo INZAGHIその人です。このときの成果は某INZAGHIファンサイト(爆)にメールを送ってアップしてもらいました。どこよりも早いイタリア現地特派員報告としてね。v(^-^)。

試合の方もしっかりと勝って私達も気分よく、明日のミラノへの移動に向けて休むことに。
うーん、今日は色々と忙しかったけど、幸せ気分で休めるわぁ〜。

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