今日はヴァチカン・デーであ〜る。編

2000.3.3(土) 天気 ローマ 曇りのち晴れ

今朝もまた寝坊…。おっかしいなぁ〜?ちゃんと目覚まし時計は7時に鳴って目を覚ましているのになぜ起き上がれないのかしら?結局ベッドから起き上がったのは8時半を過ぎてからになってしまいました。あぁぁぁぁぁ。

窓から外を見るとなんとなく空もどんより。今日も雨だったらいやだなぁ、泣いちゃうぞ、私(←?)。とにかく着替えて朝食を食べに1階の「Breakfast Room」へ。メニューは大体昨日と一緒。朝食を食べつつ外を見ると、通りの向こうの建物の上の方だけが色が違うことに気が付いて「?」と思ったけれど「元々のペンキの色が違うんだよ」「いや、陽が当たっているんだよ」なんていい加減な事を言いながら朝食終了〜。

朝食後は新聞を買いにジョルナラーイオへ。お、明日のスタメン予想が出てる出てる。あぁこんなくつろいで時間はなかったんだっけ。早く出かけないと。なんたって今日はヴァチカン関係を巡る日、名づけて「ヴァチカン・デー」なんだから。

地下鉄入口あわてて身支度を整えて目指すヴァチカン博物館に向かいます。今回初めて地下鉄に乗って行く予定なのでちょっとわくわく&ドキドキです。地下鉄はホテル前のトリトーネ通りをまっすぐに進み、バルベリーニ広場に出たところにあるA線のバルベリーニ駅。ここから4駅ほど行ったところにあるオッタヴィアーノで下車です。
←地下鉄A線、バルベリーニ駅の入口。ちょっとわくわく〜。

さて、地下鉄の切符は駅構内の券売機か窓口、または地下鉄入口付近にあるタバッキで買うことができるのですが、私達はなんとなくタバッキで買い損ねたまま地下鉄構内に入ってしまったので、窓口で買うつもりでした。だってここはイタリア、券売機が信用ならないと思い込んでいますから(苦笑)。

さて、窓口を探してみようと思った矢先に、一見してアヤシゲなおじさんが券売機の隣から現れて、なにやらイタリア語(当たり前だ)で話し掛けてくるではありませんかっ!うわ〜、ひょっとして私達カモられたか?とにかく携行品だけは注意しておかないと!!そんなことをしている間にもそのおじさんは私達に近づいてきます。一瞬の緊張が走ったそのとき…。

おじさん(もちろんイタリア語):「切符買うの?何枚?」
(へなちょこイタリア語):  「に、2枚なんだけど…」
おじさん:「じゃ、ここに2人分3000リラ入れて、このボタンを押すんだよ」
私:「へ?(←ここは日本語)あ、ありがとう〜」
おじさん:「切符買ったら、ここで刻印してから中に入るんだよ」(刻印していないのが見つかると罰金なのだ)
私:「はぁい、ありがとうございますぅ〜」

地下鉄の切符なんだ、すんごくアヤシイおじさんなのかと思ったら、いい人だったんじゃない。でもどう見ても駅員じゃないのよね。ただの親切おやじ?一体なんだったんでしょうか?でもとにかく無事に切符も買えたので言われた通りに刻印もして、ホームに降りていきました。
←地下鉄の切符。券売機で買うとこんなに地味。タバッキで買うとカラフルらしい。

ここで反対方向の電車に乗ってしまったら目も当てられないので、きちんと行先表示板を確認して、ホームへ。すると間もなく電車が入ってきました。おぉ〜、初めてのローマの地下鉄〜。去年は添乗員さんが「できれば乗らないでね」と言ったのを受けて(ま、母も一緒だったので特にですけど)、地下鉄には乗らなかったのでした。

ホームに降りて待つこと約2分。風圧と共に滑るように電車が入ってきました。わくわくわく。電車内の鉄則として、出入口付近は一番狙われる、というのは万国共通でしょうか?とにかく出入口付近は危ないかな?と思い、ちょっと中へ。目指すオッタヴィアーノまでは携行品にさりげなく注意しながら、『地下鉄、乗り慣れてます』って風を装いながら乗っていました。

オッタヴィアーノに着くと、人の流れに身を任せたまま出口へ移動し地上へ。ここからまた地図も見ないまま、人の流れに乗って、ヴァチカン博物館に移動。はて?こんなことでいいのか?道順知らないけど…。でもなんとなく無事に到着してしまうあたりは、すっかり私もイタリア慣れしているってことでしょうかねぇ?

ヴァチカン博物館着いてびっくり!(ってほどでもない。ある程度予想はしていたから)ヴァチカン博物館に入場するための長蛇の列ができていました。あぁぁぁぁぁ、朝寝坊するんじゃなかったぁ〜;;;そんなことを思っても後の祭り。とにかく並ばなきゃね。
                                                        入口のようだけど、実はこれは出口なのであった…。→

入場するために最後尾に並んでいると、去年はどこでも見かけなかった赤ちゃんを抱いたジプシーが何人も現れてきました。おぉ〜、これは気をつけねば!でも特段バッグの中に手を突っ込んでくるでもなく、並んでいる人達に向かって手を出し、お金をせびっていました。もちろん私達は完全無視。手は差し出されましたけどね。

私達の後ろにいた家族はイタリアーノだったようで、ジプシーに対して小声で「バッ○ァン○ーロー(←とてもお下品な言葉なので伏字とさせて頂きます。ちなみに英語の「F**k you」と同義語です。(^^ゞ)」と何度も呟いていて、私達は大笑いをしてしまいました。

さて、列は長蛇でしたが意外とすんなり入場することができました。入場してチケットを購入し、さぁ見学開始!ヴァチカン博物館は実に6年振り。展示物に変化があるとは思っていないけれど、やっぱり楽しみです。入場して、最初にやってきたのは「ピーニャの中庭」。巨大なピーニャ(松ぼっくり)がお出迎え?してくれます。とりあえずここで記念写真などを撮っていると、隣では女子大生風の日本人3人がピーニャを指差して「あれ、松ぼっくりよね?」「え?アーティチョークでしょ?」「えぇ〜?そう言われてみればそうかもぉ〜」などと言い合っていました。をいをい…。

ピーニャすると、突然その3人が私に向かって微笑みながら「スミマセ〜ン、シャッター押してもらえますか?」と言ってきたので、快くお引き受けしてあげ、ついでながら「あのぉ〜、あれは松ぼっくりですよ」と教えておきました。しかしいくらなんでもアーティチョークには見えんぞ。
←これがピーニャ。アーティチョークには見えんよな…。

このヴァチカン博物館はさすがに各国の観光ツアーが多く、ピーニャの中庭にはこれから観光客がドッと押し寄せるであろうシスティーナ礼拝堂の最後の審判の説明用写真がいくつか置いてありました。だってシスティーナ礼拝堂は撮影禁止ですもんね。とりあえず、私もその写真を見ながら簡単にM姉さんに説明なんぞを…。そしてさぁ、ゆくぞ!館内へっ!!

まず最初にやってきたのはピオ・クレメンティーノ美術館、ここは教皇ユリウス2世のコレクションを集めた八角形の間が一番の見所かな?中でもラオコーン像は必見とかなんとか。確かにここには彫像がいくつかあるけれど、ラオコーン像のところだけは人が途切れていませんねぇ。うっ、他の彫像が気の毒だ…。

←とっても有名なラオコーン像。コロッセオそばの宮殿跡から発掘されたらしい・・・。

   こちらも比較的有名なメドゥーサの首を掴むペルセウスの像。
メドゥーサって確かヘビ女ですよね?  →

八角形の間を抜けて、人の流れに沿って進むとシモネッテイの階段の前に到着、この階段前にはモザイク画があり、踏まれないように柵で囲まれています。モザイク画を横目に見つつ先に進むとやがて燭台のギャラリーに。この燭台のギャラリーの床に私の好きな「糸杉」のモザイク画があるんですよねぇ。

この糸杉のモザイクは、今や取ることできないとっても貴重な色の大理石を使っているということで、もちろんここも踏まれないようにと柵で囲まれていました。あぁ、この糸杉、何度見てもやっぱりステキ。そしてこの糸杉のモザイクのあるちょうど横の壁の天井近くに、これまた私の好きな絵があったりしたんですね。実はこの絵、はじめてこのヴァチカンに来た時に写真を撮ったくらいお気に入りだったのだけど、すっかりどの辺で撮った写真かがわからなくなっていたのでした。今回はこの絵を見つけるというのも目的の一つだったんですねぇ。

  ↑燭台のギャラリー ↑「糸杉」のモザイク。この群青色の
  大理石はもう採れないのだとか
     ↑意味もなく、ただ好きな壁画

アテネの学堂タペストリーのギャラリー、地図のギャラリーを抜けるとこれまた有名なラファエロの間(署名の間)に到着です。ラファエロの間にある絵はどれも美術の教科書で見たことのある絵ばかり。中でもアテネの学堂はダ・ヴィンチ、ミケランジェロをモデルにして描いた有名な絵ですね。あぁ、この絵の実物を見られて幸せ…。だってはじめて来たときはちょうど修復中で見られなかったんですもの〜。
                                      実物をやっと見られた「アテネの学堂」。さすがに混雑していました。→

火災の間を抜け細い階段、細い回廊を通り、次はいよいよシスティーナ礼拝堂です。やっぱりこのシスティーナ礼拝堂はヴァチカン博物館の中で最も有名で、最も管理の厳しい場所でしょう。ここだけは写真撮影は禁止、そして静かにしていなければいけないのです。でもあちこちでフラッシュがたかれ、そして人々の話し声も。そのたびに警備の人達が注意をしていました。

今日はさほど混雑もしていなかっったので、私達も壁のまわりにある椅子に座り。心行くまでミケランジェロの大作である『最後の審判』と創世記を主題にした天井画をゆっくりと眺めることができました。あぁ、幸せなひととき。

ヴァチカン図書館システィーナ礼拝堂を抜けるとヴァチカン図書館のギャラリーです。ここのシクトゥスの大広間は柱から天井からびっしりと画で覆い尽くされていて見る者を圧倒しています。これだけの画に囲まれていながら、下品な感じがしないというのもまた素晴らしいものですね。ただ残念ながらここは立入禁止なので柵の外から写真だけ撮りました。
←シクトゥスの大広間。こんなにハデなのにちっとも下品じゃないの。

変容ここまで見学してきてなんだかお腹が空いてきました。それもそのはず、もう午後1時をまわっています。そろそろ昼食にしようかなぁ、それでその後ピナコテカを見学しようかなぁ?と思っていたのですが…、ピナコテカの入口を見てビックリ!なんと土曜日のピナコテカの開館時間は午後1時半まででした。お腹がすいたなんて言っている場合じゃありません。急いで中に入ることに。だってここにはダ・ヴィンチの未完の作品である『聖ヒエロニムス』やラファエロの『変容』などがあるんですから。 

                                                 ラファエロの『変容』→

このピナコテカ、大急ぎで見るにはとてももったいない絵画館です。でも残念ながら時間が30分しかないためゆっくりゆっくり見ることは叶いませんでした。うぅむ、ここも次回の宿題かなぁ?

螺旋階段ピナコテカの見学終了で、このヴァチカン博物館の見学も終了ということになりました。やっぱり見所満載で、まだまだ見落とした箇所もありで、とても一日で見学出来きるものではありません。毎日通いたい〜。あぁ、ローマに住んでいる人がうらやましいわ。その気になれば毎日でも見に行かれるんですもの。

ヴァチカン博物館を出る前にカフェが軽目のランチを取り、美しい螺旋階段を降りて出口へ。次はサンピエトロ大聖堂へ移動です。
←いつ見ても美しい螺旋階段。


でもこの続きは次ページでね。だってこのページだけで写真が多くなってきちゃったから…。ごめんなさ〜い;;;

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